東川アウトドアフェスティバル

2015年10月30日金曜日

シリア/2008年12月

私たちがシリアを訪れたときは、まだシリアが平和な時でした。シリアの人たちは本当に人に優しいんです。観光名所は少ないけれど、このシリアの人たちの気持ちこそが触れるべきものだと思っています。
写真は、旅の中で最も印象的だった家族です。アラブ圏には宿が少ないし、何もないところで野宿するのは怖いので、私たちはよく民家の庭先にテントを張らせてもらっていました。このときも同じお願いをしたら、彼らは寒いから外なんかダメだと言って、すぐに家に招き入れてくれたんです。季節は冬だったんですが、私たちにとっては特に寒くはない気候でした。
右奥に写っている四角い建物が彼らの住居です。ご覧の通り、決して裕福な家族ではありません。それなのに突然現れた私たちに、たぶん一番いい食材を使って食事を用意してくれて、薪も惜しみなく焚いてくれて。育ち盛りの子供がいるのに、すべてを使い尽くすくらいのもてなしをしてくれました。その心遣いが嬉しくて、申し訳なくて。
翌朝、せめてものお礼にと思って、持っていたお菓子を子供たちにあげようとしたんです。でも「それはこの先の砂漠超えで、あなたたちに必要なものだから」といって、笑顔のまま頑として受け取らないんです。

以来、もし自分が逆の立場だったら、同じ事ができるだろうかって考えるようになりました。何の見返りも求めずに同じ事ができるだろうかって、常に自問自答するようになりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿